公務員試験 H28年 法務省専門職員 No.28解説

 問 題     

次は,ロジャーズ(Rogers, C.R.)に関する記述であるが,A〜Dに当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

クライエント中心療法は,ロジャーズにより創始された心理療法で,その初期にはA 的(精神)療法と呼ばれていた。ロジャーズは,「問題は何か,どう解決したらよいかについて,最もよく知っているのはクライエント自身であり,セラピストはクライエントに何かを教える必要はなく,クライエントの体験に心を寄せて,その体験を尊重することが重要である」というクライエント中心の態度によって,クライエントは本来の力を十分に発揮し問題を解決していくと考えた。

さらに,ロジャーズは,外部の統制から自由になり自律性に向かう傾向が,人間に本来的に内在していると考えた。この傾向の発現を促進するのがセラピストの態度であり,人間の成長を促進するセラピストの態度条件として,「B 」,「共感的理解(empathic understanding)」,「純粋さ
(genuineness)」を挙げた。

一方で,ロジャーズは,クライエント中心療法の理論を裏付けるために,仲間と共に実証的データによる組織的な研究調査を多数行った。この研究仲間の一人であったジェンドリン(Gendlin,E.T.)は, C という自己理解のための方法と心理療法を開発した。

その後,ロジャーズは,それまでの研究と実践によって確立した援助的関係の特質を,支援関係に限らず,より広い人間関係へ適用しようとし, D と呼ばれる小グループ活動に力を注いだ。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

C,D の選択肢に注目すると判断しやすいのではないかと思います。

A ですが
ロジャースにより創始された心理療法は、初期において「非指示療法」と呼ばれました。近年では来談者中心療法、パーソンセンタードアプローチなどと呼ばれます。

B ですが
セラピストの態度条件として上げたのは「無条件の肯定的配慮」です。

C ですが
自己理解のための方法、ということから「フォーカシング」です。ナラティブ・アプローチは、主観を含めた全体性を重視するアプローチです。 ナラティブは「物語」といった意味です。

D ですが
小グループ活動は「エンカウンター・グループ」です。セルフヘルプグループは、自助グループです。同じ障害や困難を抱えた当事者同士の集団です。

以上より、正解は 4 です。

コメント

  1. 匿名 より:

    選択肢が抜けております

  2. kazupiko より:

    修正いたしました。
    コメントありがとうございます!