過去問 2020年 国家一般職(高卒 基礎)No.40解説

 問 題     

仏教に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.紀元前,ブッダは,全てのものが絶えず変化する万物斉同の世界で,一切の修行を捨てて自然に身を任せる無為自然の実践により解脱の境地に至ることができると説いた。

2.奈良時代,上座部仏教が,スリランカ,東南アジアを経て日本に伝わり,仏教によって国の安泰を図る鎮護国家の実現のため,厩戸王(聖徳太子)は東大寺に大仏を建立した。

3.平安時代,空海は,万物は宇宙の本体である大日如来の現れであり,真言を唱える密教の修行などを通じて,大日如来と一体化する即身成仏を遂げることができると説いた。

4.鎌倉時代,親鸞は,自分の力を誇る悪人は,阿弥陀仏には救われないが,坐禅による修行を通じて自力で悟りの境地に至ることができると説いた。

5.鎌倉時代,道元は,自分の無力を深く自覚し,踊りながらひたすらに念仏を唱えて阿弥陀仏の慈悲にすがる人こそが悟りの境地に至ると説いた。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

選択肢 1 ですが
「全てのものが絶えず変化」は「万物流転」です。万物斉同は、全てのものを同一とみなす、差別をしない、といった意味です。中国の老荘思想の言葉です。無為自然も老荘思想です。ブッダではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
聖徳太子が建立したのは、法隆寺です。東大寺は聖武天皇が建てました。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当な記述です。
空海に関する記述です。

選択肢 4 ですが
親鸞は、悪人こそ救われる 悪人正機 を唱えました。悪人は、阿弥陀仏には救われない、としたわけではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
踊り念仏は、一遍 が説きました。道元ではありません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 3 です。
類題 H26no40

 

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