過去問 2020年 国家一般職(高卒 基礎)No.38解説

 問 題     

第二次世界大戦後の国際経済に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.1940 年代,国際通貨基金(IMF)と関税及び貿易に関する一般協定(GATT)の発足で IMF・GATT 体制が始まり,金とドルの交換レートが定められた。これを金・ドル本位制という。

2.1960 年代,米国の国際収支の黒字が拡大し,ドルが過剰に米国外に流出したことで米国内のドルが不足するドル危機が発生したことを契機に,国際経済は固定為替相場制へ移行した。

3.1980 年代,米国では社会保障の充実により財政赤字が拡大し,我が国でもバブルの崩壊により財政赤字が拡大した。両国の財政赤字は「双子の赤字」と呼ばれた。

4.1980 年代から行われた各国間での貿易自由化交渉の結果,1990 年代,IMF とGATT を補助する機関として,新たに世界銀行が設立された。

5.第二次世界大戦以降,ヨーロッパでは地域経済統合が進み,1990 年代にはロシアも参加した欧州連合(EU)が発足し,EU 加盟国内での通貨はポンドに統一された。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

選択肢 1 は 妥当です。
金・ドル本位制についての記述です。

選択肢 2 ですが
アメリカから「金」が流出したことにより、金とドルの交換を停止し、固定相場制の前提である 金・ドル本位制が崩壊したことにより、変動相場制へと移行していきました。ドルが流出し、固定相場制へ移行した、わけではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
双子の赤字とは、 財政収支、貿易収支ともに赤字になっている状態のことです。1980 年代、米国レーガン政権下の経済状態を特に指す言葉です。米国と我が国を指している、わけではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
貿易自由化のため、と来れば WTO です。世界銀行ではありません。ちなみに、世界銀行の目標は、貧しい国々の経済強化によって、世界の貧困を削減し、かつ、経済成長と開発促進によって、人々の生活水準を改善することです。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
EU 加盟国内での通貨は ユーロ です。ポンドではありません。また、EU にロシアは加盟していません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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