公務員試験 2020年 国家一般職(行政) No.31解説

 問 題     

財 1 ,財 2 の二つの財が存在する完全競争市場を考える。財 1 の価格は 2 ,財 2 の価格は 3 である。合理的な消費者は以下の効用関数を持ち,効用水準を最大化するものとする。また,所得水準は 180 である。

u = x1x2 (u:効用水準,x1:財 1 の消費量,x2:財 2 の消費量)

このとき,政府が財 1 に 1 単位当たり 4 だけの間接税を課したときの効用水準を uA とする。それに対して,間接税を課す代わりに,間接税で得られる税収と同額の税収が得られるように,この消費者に一定額の直接税を課した場合の効用水準を uB とする。このとき,uA と uB の関係に関する次の記述のうち,妥当なのはどれか。

1.uB は uA より150 だけ大きい。
2.uB は uA より100 だけ大きい。
3.uB は uA より100 だけ小さい。
4.uB は uA より150 だけ小さい。
5.uB は uA と等しい。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

所得が 180 なので、2x1 + 3x2 = 180 ・・・(1) です。これが予算制約です。
効用関数の式に、(1) を変形した x1 = 90 – 3x2/2  を代入して、効用関数を「2文字の式」→「1文字の式」にします。u = (90 – 3x2/2) x2 = -3/2 x22 + 90x2 です。

効用最大の時、この関数は、微分して 0 です。u’ = -3x2 + 90 なので、u’ = 0 となるのは、x2 = 30 の時です。(1)に代入して、x1 = 45 とわかります。効用は 45 × 30 = 1350 です。

次に、uA について考えます。
財1の値段が 4 上がったということなので、予算制約が 6x1 + 3x2 = 180 ・・・ (2) になるということです。先程と同様の式変形を行っていけば、uA = (30 – x2/2) x2 = -1/2 x22 + 30x2 です。

効用最大の時、この関数は、微分して 0 です。uA’ = -x2 + 30 なので、u’ = 0 となるのは、x2 = 30 の時です。(2)に代入して、x1 = 15 とわかります。効用は 15 × 30 = 450 です。また、間接税による税収は、財1が1個売れるごとに4の税収なので、15 × 4 = 60 です。

最後に、uB について考えます。
消費者に 60 の直接税を課すので、予算制約が 2x1 + 3x2 = 120 ・・・(3) になります。また同様の式変形により、uB = (60 – 3x2/2) x2 = -3/2 x22 + 60x2 です。

効用最大の時、この関数は、微分して 0 です。uB’ = -3x2 + 60 なので、u’ = 0 となるのは、x2 = 20 の時です。(3)に代入して、x1 = 30 とわかります。効用は 30 × 20 = 600 です。

従って、uA と uB の関係は「uB が uA より 150 大きい」です。

以上より、正解は 1 です。

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