過去問 2019年 国家一般職(高卒 基礎)No.37解説

 問 題     

市場経済に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.スマートフォンの市場など,価格競争に加えて,デザインや性能などの非価格競争が行われるという特徴を持つ市場は,完全競争市場と呼ばれる。

2.一般道路や灯台など,利用者から対価を得ることが難しく,多くの人々が同時に利用できるという特徴を持つ財は,公共財と呼ばれる。

3.農作物などで,悪天候の影響で十分な収穫が得られなかったにもかかわらず,多くの人々が必要としていることから価格が急騰する状況は,外部不経済と呼ばれる。

4.生活必需品など,製品の差別化が難しく,買い手がプライスリーダー(価格先導者)として価格への強い影響力を有する状態で需要と供給が均衡した価格は,管理価格と呼ばれる。

5.中古車販売など,売り手が持っている情報を買い手に完全に示さずに,売り手が高値で売ることは,不当廉売(ダンピング)と呼ばれる。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

選択肢 1 ですが
完全競争市場において、買い手は売り手に対する特別な選好を持っていない、という仮定が成立します。そのため、非価格競争が行われないと考えられます。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当です。
公共財についての記述です。

選択肢 3 ですが
外部不経済とは、企業や消費者の経済活動が、市場取引によらずに第三者に不利益・損害を与えることです。代表例は公害です。「悪天候の影響で十分な収穫が得られなかったにもかかわらず、価格が急騰」という意味ではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
管理価格とは、独占または寡占企業の市場支配力によって設定される価格です。買い手が強い影響力を有する状態での価格ではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
不当廉売とは、不当に「安い」価格で商品やサービスを提供することです。高値で売ることではありません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2 です。



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