過去問 2019年 国家一般職(高卒 基礎)No.29解説

 問 題     

我が国の地形に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.河川が山地を深く刻み込むと,すり鉢状の窪地であるカールやU字谷などを形成する。海岸近くにある山地で形成されたカールは,海面の上昇によって水没するとリアス海岸となる。

2.河川により山地から押し出された土砂は,平地へ流れ出すところで洪積台地を形成する。洪積台地上では,河川は,勾配が急なため伏流して水無川になることが多い。

3.河川の中流域では,水はけが悪い扇状地が形成される。扇状地上には,氾濫原,後背湿地,砂嘴(さし)など河川が作る様々な地形が見られ,後背湿地は水田などに利用されている。

4.河口付近では,河川の流れが弱まり,そこに細かい砂や泥が堆積して,三角州(デルタ)が見られる場所がある。三角州は,低平なため洪水や高潮などによる浸水を受けやすい地形である。

5.近くに土砂が流れる河口がある海岸では,砂が堆積して自然堤防が出来て,この堤防によって仕切られた潟湖(ラグーン)や三日月湖といった汽水湖が形成されることが多い。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

選択肢 1 ですが
雪が、厚い氷の塊となり、自重で流れていくのが氷河です。カールや U 字谷は、氷河により形成される氷河地形の一種です。そのため、河川が山地を深く刻み込む、わけではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
河川により山の高い所から流されてきた土砂は、平地までくると河川勾配が緩やかになるため、大きな石は流れにくくなります。大きな石のような荒い堆積物の下に水はもぐりこめるため、伏流して水無川になることがあります。勾配が急なため伏流する、わけではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
河川の中流域で形成されるのは、谷底(こくてい)平野や、河岸段丘です。扇状地や氾濫原、後背湿地などは、下流域で形成されます。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当です。
三角州に関する記述です。

選択肢 5 ですが
自然堤防は、河川の氾濫に伴い運搬された土砂の堆積によってできる、河川両岸付近の小高い地形です。ラグーン(潟湖)は、海の近くの地形です。沿岸の浅い海の一部が、砂州などにより外海と分離して、浅い湖沼となったものです。自然堤防によって仕切られた、わけではありません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

 

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