過去問 2019年 国家一般職(高卒 基礎)No.22解説

 問 題     

熱に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.物質を構成する原子や分子は不規則な運動をしている。この運動は,熱運動と呼ばれ,物質の温度が高くなるほど激しくなる。絶対零度に近い温度では,原子や分子はほとんど熱運動をしない。

2.温度の異なる二つの物体を接触させると,高温の物体の熱運動のエネルギーが低温の物体に移動する。この移動するエネルギーの量を熱量と呼び,その単位にはワット(W)が用いられる。

3.同じ熱量を与えても,物体によって温度上昇の度合いは異なる。この度合いは,物体の熱容量と呼ばれ,熱容量が大きい物体ほど,あたたまりやすく,冷めやすい。

4.氷が融解して水に変化している間,外部から加えられる熱は物質の状態を変化させるために使われるため,一定の割合で加熱すれば,温度は一定の割合で上昇する。

5.外部と熱のやり取りを行わない材料で出来たポットに少量の水を入れた場合,外部と熱のやり取りがないので,ポットをいくら激しく振り続けても中の水の温度は変化しない。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

選択肢 1 は妥当です。
熱運動に関する記述です。

選択肢 2 ですが
熱量の単位は、仕事量、エネルギー等と同じ「J」です。また、1 J = 1 ワット(W) × 1 秒(s)です。熱量の単位がワット(W) ではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
熱容量とは、物質の温度を 1K 上昇させるのに必要な熱量です。物質 1 g あたりであれば比熱と呼ばれます。熱容量が小さいほど、あたたまりやすく冷めやすいです。熱容量が大きいほど、ではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
状態変化に熱が使われている時に、温度は変化しません。温度が一定の割合で上昇する、ではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
水を激しく振ると、ポット内部表面との摩擦熱等により温度が上昇します。中の水の温度は変化しない、わけではありません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1 です。
類題 H28no22

 



コメント