公務員試験 2019年 国家一般職(教養) No.32解説

 問 題     

レアメタルに関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.リチウムは自然界では単体で存在しており,空気中の酸素と反応しやすいため水中に保存される。リチウムイオン電池は小型で軽量であり,充電のできない一次電池として腕時計やリモコン用電池に用いられている。

2.白金は古くから貴金属として宝飾品に用いられてきた。また,化学的に不安定であることから様々な化学反応に対して触媒として利用され,硫酸の工業的製造や自動車の排ガス浄化装置などにも用いられている。

3.チタンは銅や鉄に比べ重く,硬い金属であり,様々な合金を形成する。銅との合金は黄銅と呼ばれ, 5 円硬貨や金管楽器などに用いられている。また,酸化チタンは赤外線を吸収し,そのエネルギーで強い酸化反応を起こす光触媒としての性質をもつ。

4.タングステンは灰白色の金属であり,金属元素の単体の中で水銀に次いで融点が低く,青色 LED に用いられている。また,他の金属とよくなじむので,主に金属どうしの接合剤に用いられている。

5.バリウムはアルカリ土類金属であり,炎色反応では黄緑色を示す。単体は水と反応し,水素を発生して水酸化物になる。また,硫酸バリウムは X 線を吸収することから胃の X 線撮影の造影剤に用いられている。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

選択肢 1 ですが
リチウムはアルカリ金属の一種です。アルカリ金属の単体は、急速に空気中で反応し、水とも反応します。従って、石油中で保存します。水中ではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
白金は極めて安定な貴金属です。「化学的に不安定」ではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
黄銅、は 真鍮、もしくは brass とも呼ばれます。銅と亜鉛の合金です。銅とチタンではありません。選択肢 3 は誤りです。(参考 合金の類題 高卒区分 H29no43)。

選択肢 4 ですが
タングステンは、融点が金属の中で最も高い点が特徴です。「水銀に次いで融点が低い」わけではありません。

選択肢 5 は妥当です。
バリウムに関する記述です。

以上より、正解は 5 です。

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