公務員試験 2019年 国家一般職(教養) No.27解説

 問 題     

図は,漁港背後集落の人口と高齢化率(漁港背後集落及び全国)の推移を,表は,2017 年における漁港背後集落の状況を示したものである。これらから確実にいえるのはどれか。

1.2017 年の漁港背後集落の人口は,2008 年と比べて 25 % 以上減少している。

2.2013 年からみた 2017 年の漁港背後集落の高齢者の増加数は,1.8 万人以下である。

3.2008 ~ 2017 年の各年について,漁港背後集落と全国の高齢化率(%)の差は,一貫して9 ポイント以上であるが,2016 年に初めて 10 ポイントを超えた。

4.2017 年の漁港背後集落のうち,離島地域,半島地域,過疎地域のいずれか一つのみに指定されている集落数の合計は 1,300 以上である。

5.2017 年の漁港背後集落のうち,離島地域には 36 万人が,半島地域には 66 万人が居住している。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

選択肢 1 ですが
図の棒グラフで表されている「漁港背後集落の人口」に注目します。2008 年と 2017 年を見ると、 240 → 192 と減少しています。減少幅は 240 ー 192 = 48 です。一方、240 の 25% は 60 です。従って、減少幅は 25% よりは小さいと判断できます。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
高齢者数は、人口と高齢化率から計算できます。2013 年と 2017 年に注目すると、206 の 34.0%192 の 38.1 % です。それぞれ計算すると 70.0 万人 → 73.2 万人です。3 万人程度は増加しています。1.8 万人以下ではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
高齢化率の差を 1 つずつ 計算して確認すると、2013 年において 34.0 ー25.1 = 8.9 です。これは見つけたい!「一貫して 9 ポイント以上」とはいえません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当です。
離島と半島共に該当することはありません。従って、ありえるパターンとしては「離島のみ、半島のみ、過疎地域のみ、離島かつ過疎地域、半島かつ過疎地域」の5パターンです。ベン図で示せば以下のようなイメージです。

3177 ー(786+1421) = 970 が過疎地域のみの人数・・・(1)です。
ベン図の記号で表すなら、(a+b+c+d+e) ー(b+d + c+e) を計算することで、a を求めたということです

2802 ー 970 = 1832 の地域が、離島かつ 過疎 (d)  or 半島かつ過疎 (e) です。786+1421 ー 1832 = 375 人は いずれか 1 つに指定されている・・・(2)とわかります。こちらもベン図の記号で表すなら、(b+d) + (c+e) ー (d+e) = b + c です。 (1),(2)を合わせて、a + b + c が 1300 以上とわかります。

少し計算が煩雑なので、本番ではこの選択肢は飛ばして、選択肢 1,2,3,5 の正誤判断の結果、正解が 4 と選べるとよいです。

 

選択肢 5 ですが
誰がどの地域に何人住んでいるかは、この資料から読み取れません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

 

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