公務員試験 2019年 国家一般職(教養) No.26解説

 問 題     

表は,A~Eの 5 か国の 2014 ~ 2018 年における国内総生産(単位:十億ドル)及び物価上昇率(前年比,単位:%)を示したものである。これから確実にいえるのはどれか。

1.各国の 2018 年の国内総生産の成長率(前年比)を比較すると,B国の成長率が最も高い。

2.2014 年からみた 2018 年の各国の国内総生産の成長率は,E国が最も高く,C国が最も低い。

3.2014 年からみた 2018 年の各国の国内総生産の増加額を比較すると,B国は,A国より小さいが,D国より大きい。

4.2013 年の各国の物価を 100 とした 2018 年の指数を比較すると,最も小さいのはC国である。

5.2014~2018 年の各国の物価上昇率の平均を比較すると,最も高いのはE国であり,最も低いのはC国である。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

選択肢 1 ですが
国内総生産の成長率(前年比)を読み取っていきます。まず B 国を見ると、2017 年が 230 → 2018 年が 250 で「20 増加」です。他の国を上から見ていきます。 A 国は 2017 年が 190 → 2018 年が 210 と「20 増加」です。増加分は B 国と同じです。そして、前年の国内総生産が B 国より低いため、同じ 20 増加でも、成長率としてはより大きいです。つまり、B 国よりも A 国の方が成長率が高いため、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
「2014 年からみた 2018 年の国内総生産の変化」をまず読み取ります。A 国:170 → 210、B 国 180 → 250、C 国 40 → 60、D 国 35 → 45、E 国 20 → 30 です。どの国も増加しているのですが、C,E 国はそれぞれ 50% 成長しています。一方、A,B,D 国の国内総生産は、どれも 50% 成長はしていません。つまり「C 国が最も低い」わけではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
「増加『額』」であることに注意です! 先程の選択肢 2 の解説で読み取った数値の「差」を見ればよい、ということです。B 国の国内総生産増加額は 250 ー 180 = 70 です。以下、同様に A 国は 40 です。「B 国は A 国より小さい」わけではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当です。
2013 年の物価を 100 として、前年比が毎年出ています。資料解釈における頻出計算テクニックである「増加率の推移は、足していけば大体 OK」を使います。すなわち、物価上昇率を単純に足します。すると A 国は 1.1 + 1.0 + 1.3 + 2.1 + 2.2 = 7.7 です。これが 2018 年までの物価上昇率の近似です。従って、A 国の2018 年の物価は大体 100 + 7.7 = 107.7 です。同様に見ていけば、C 国が 上昇率の和が 3.0、物価の指数は 103.0 で最小です。

選択肢 5 ですが
ぼんやりと物価上昇率の部分を見た時に、大体 平均 2% 上昇している B 国の方が、E 国よりも平均が高いと判断したい内容です。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

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