公務員試験 2019年 国家一般職(行政) No.40解説

 問 題     

ソローの新古典派成長論の枠組みで考える。マクロ生産関数は以下のように示される。

労働人口は時間を通じて一定の率で増加し,以下の式で示される。

一方,資本ストックは,以下の式で示される。

また,労働人口成長率が 0.02,資本減耗率が 0.04,貯蓄率が 0.12 で,それぞれ一定であるとする。このとき資本・労働比率 Kt/Lt が時間の経過とともに収束していく値はいくらか。ただし,資本ストックと労働人口の初期値は正であるとする。

1. 16
2. 32
3. 64
4. 128
5. 256

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

ソロースワンモデルを考えます。成長率 ΔK/K = sy/k ー (d+n) ・・・(1) です。ここで s は貯蓄率、y が 1 人あたり生産(Y/L)、k が 1 人あたり資本(K/L)です。H28 no40 と比較した際に、労働人口成長率 n = 0.02 がある点に注意が必要です。定常状態において、ΔK/K = 0 です。従って、d + n = sy/k が成立します。d = 0.04、n = 0.02、s = 0.12 を代入すれば、0.06 = 0.12 × y/k です。すなわち、0.06 = 0.12 × (Y/L)/(K/L)・・・(1) と表すことができます。

以下、添字の t を省略します。
問題文より、Y  = 4K1/2L1/2 です。両辺を L で割ります。すると、Y/L = 4 × (K/L)1/2 となります。 これにより、K/L についての式を、以下のように計算できます。

等号成立のためには、赤丸で囲んだ部分が 1/8 となればよいです。K/L の値として、選択肢の値を代入していけば、K/L = 64 の時、赤丸で囲った部分が 8/64 = 1/8 となります。

以上より、正解は 3 です。
類題 H28no40

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