公務員試験 2019年 国家一般職(行政) No.39解説

 問 題     

新古典派の投資理論を考える。望ましい資本ストックは,資本の限界生産性と資本の使用者費用が等しくなるように決定される。ある時点 t における資本ストック Kt と資本の限界生産性 MPK との間に,以下の式で示される関係があるものとする。

いま,利子率が 0.06,資本減耗率が 0.04 の下で,ある企業の(T-1)期の資本ストック水準が,新古典派の投資理論の望ましい資本ストック水準を達成していたとする。ここで,T 期に利子率が 0.04 になったとすると,この企業の T 期の粗投資量はいくらか。

ただし,T 期の望ましい資本ストックも新古典派の投資理論に基づいて決定されるものとし,新古典派の投資理論では,T 期の望ましい資本ストックを KT*,(T-1)期の資本ストックを KT-1,資本減耗率を d としたとき,T 期の粗投資量 IT は,IT= KT* -(1 -d)KT-1 となる。

1. 225
2. 241
3. 250
4. 384
5. 400

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

新古典派の投資理論では、望ましい資本ストック水準において、資本の限界生産性=資本の使用者費用が成立します。そして、資本の使用者費用とは、利子率+資本減耗率です。これが基礎知識です。

T ー 1 期に注目すると、限界生産性=0.06 + 0.04 = 0.10 です。従って、2/√KT-1 = 0.1 だから、KT-1 = 400 です。次に、T 期に注目すると限界生産性 = 0.04 + 0.04 = 0.08 です。従って、2/√KT = 0.08 だから、KT = 625 です。

問題文の最後にのっている、粗投資量についての関係式に、KT = 625、d = 0.04、KT-1 = 400 を代入して計算すれば、粗投資量は 625 ー 0.96 × 400 = 241 です。

以上より、正解は 2 です。

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