公務員試験 2019年 国家一般職(行政) No.38解説

 問 題     

第 1 期と第 2 期の 2 期間のみ生存する家計を考える。この家計は第 1 期,第 2 期それぞれにおいて Y1,Y2 の所得を得るとともに,C1,C2 の消費を行い,また,第 1 期と第 2 期の消費が等しくなるように行動する。利子率を r,貯蓄を S とすると,この家計の第 1 期と第 2 期の予算制約式は,それぞれ以下のように示される。

ここで,利子率 r は 0.2 であるとする。

いま,この家計が第 1 期の消費を行う際に,第 2 期の所得 Y2 だけが当初の予想よりも 110 だけ増加すると考えた。この場合における家計の第 1 期の消費 C1 の増加分はいくらか。なお,借入制約は存在しないものとする。

1. 40
2. 45
3. 50
4. 55
5. 60

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

具体的に考えるとわかりやすいと思われます。

一例として、Y1 = 1000、C1 = 900 とします。すると、C1 = Y1 ー S より、S = 100 です。そして、C2 = C1 = 900 なので、Y2 = 780 と決まります。

この前提において、第1期の消費を行う際に、Y2 が 110 増加すると考えるため、Y2 = 780 + 110 = 890 となります。消費一定なので、C1 = C2 です。従って、1000 ー S = 890 + 1.2S・・・(1) が成立するように S を調節します

(1)を解くと、S = 50 です。S = 50 になるような C1 は 950 です。C1 の増加分は、950 ー 900 = 50 です。

以上より、正解は 3 です。

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