公務員試験 2019年 国家一般職(高卒 技術) No.88解説

 問 題     

鋼構造の完全溶込溶接に関する次の記述の ㋐ ~ ㋓ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「完全溶込溶接では、接合部を内部まで完全に溶かし合わせるために、接合部に ㋐ という溝状の加工を行う。また、接合部の全幅を完全に溶接するので、溶接の始端と終端には欠陥が生じやすく、 ㋑ を用いて、始端と終端を接合に必要な範囲外に出す。

代表的な溶接欠陥としては、溶着金属が止端で母材に融合しないで重なった ㋒ や、溶接の止端に沿って母材が掘られて、溶着金属が満たされないで溝となって残る ㋓ などがある。」

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

厚さ分まるまる溶接されているのが「完全溶込溶接」です。一部しか溶接されていない場合は「部分溶込溶接」といいます。

㋐ ですが
溶接において、接合部に行う溝状の加工は「開先(グルーブ)」です。正解は 3 ~ 5 です。ちなみに、スカラップは「扇形の切り抜き部分」のことです。溶接線の交差を避けるために設けられます。

㋑ ですが
溶接の端に欠陥が生じないように用いるのは「エンドタブ」です。溶接線の始終端部に取り付ける補助板のことです。溶接後に切除するなどの後処理を施します。

「裏当て金」は、溶接時に底部に裏から当てる固形材です。これで正解は 5、㋒ はオーバーラップ、㋓ はアンダーカットとわかります。代表的な溶接欠陥として、オーバーラップとアンダーカットも、ぜひこの演習を通じておさえておきましょう!

以上より、正解は 5 です。

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