R5年 大気特論 問5 問題と解説

 問 題     

ガス燃焼の予混合気では、未燃混合気側に火炎面はある速度v(m/s)で移動し、その速度を予混合気の燃焼速度vという。火炎面は、混合気の流速とこの燃焼速度がつり合う位置に見かけ上静止する。

条件の異なる予混合気をスリット状の噴出口から、流速U(m/s)で流出させたとき、下図に示すように噴出口の上部に火炎面が二等辺三角形の等しい2辺となる平面状の火炎が形成された。

予混合気の流速Uと頂角が図に示される値であるとき、燃焼速度v(m/s)が最も大きいものはどれか。必要なら、表の数値を用いて良い。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

本問は、設問の質という観点では難しい問題ではありませんが、少なくとも過去15年以上類題が見られないという、かなりマニアックなテーマを扱っています。そのため、もし本番でこのような設問に出会ったら、数分考えてみて解法が思いつかなければ、捨て問題と見なしてしまって構わないと思います。

まず、選択肢にある図は、三角形の部分が火炎を表し、その下側がガスの噴出口(ガスバーナーのヘッド部分)を表しています。ここで、噴出口は大抵「円」であるため、火炎は「円錐」となります。

問われているのは燃焼速度vが最も大きい選択肢ですが、火炎面が大きければ大きいほど、外側(未燃混合気側)と接している面積が大きいため、ガスが早く未燃混合気側へと移動します。つまり、燃焼速度vが大きくなります。

よって、本問は、「選択肢のうち火炎面の面積が最も大きいものはどれか。」という設問と同義となります。ちなみに、火炎面の面積というのは、円錐の側面積のことです。底面はガスの噴出口になっているため、未燃混合気側とは接していないので含めません。

なお、ここでは選択肢(1)~(5)の大小関係を比較できればよいので、円錐の側面積については考えず、紙面に記載されている通りの三角形の面積を計算していきたいと思います。大小関係だけなら三角形の面積でも円錐の側面積でも変わらないため、こうすると計算を簡素化できます。

ここで、噴出口から出るガスの流速Uは火炎長に比例するため、流速Uが三角形の「高さ」に相当します。

以上から、まずは選択肢(1)の三角形の面積を求めていくと、次のように計算することができます。

同様に、(2)~(5)についても計算すると、以下のようになります。

以上から、(1)~(5)のうち面積の最も大きい(3)が、燃焼速度v(m/s)も最も大きいということになります。

よって、正解は(3)です。

コメント