R5年 水質有害物質特論 問2 問題と解説

 問 題     

イオン交換法に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. イオン交換樹脂は比較的高価であるので、一般に再生して使用することが多い。
  2. 有価金属の回収や工程水の回収などの目的に使用されることが多い。
  3. 共存塩類が多量に存在すると、目的イオンの除去が不可能になることがある。
  4. イオン交換樹脂は、水中のイオンを交換吸着するもので、陽イオンを交換吸着するときには、陰イオン交換樹脂が使用される。
  5. キレート樹脂は、特定の重金属を選択的に吸着する目的に使用されることが多い。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

(1)と(2)はともに正しいです。イオン交換樹脂は比較的高価なので、薬剤を用いて樹脂を再生して使うのが一般的です。また、高価ゆえに重金属の除去のためにはあまり用いられず、有価金属の回収や工程水の回収といった(金銭的な)見返りが期待できるときに採用されることが多いです。

(3)と(5)も正しいです。普通のイオン交換樹脂は様々なイオンを交換吸着するため、目的イオン以外の共存塩類が多量に存在すると、目的イオンの除去が不十分になってしまうこともあります。それを避けるためには、特定の重金属を選択的に吸着できるキレート樹脂を用いるのが有効です。

残る(4)の記述が誤りです。陽イオン交換樹脂はアンモニウムイオン(NH4)などの陽イオンを吸着し、陰イオン交換樹脂は硝酸イオン(NO3)、亜硝酸イオン(NO2)などの陰イオンを吸着します。

よって、正解は(4)となります。

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