R5年 公害総論 問8 問題と解説

 問 題     

揮発性有機化合物(VOC)に関する記述中、下線を付した箇所のうち、誤っているものはどれか。

VOCについては、(1)2000(平成12)年度の推定排出量を、2010(平成22)年度に(2)5割程度削減することを目標として、大気汚染防止法の改正が行われた。

塗装、印刷、(3)接着などの大規模排出源への(4)排出濃度による規制に加えて、その他の事業所における(5)自主的取り組みの推進が主な改正点であった。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

重要な法改正があったときには、数年以内にそれをテーマとした設問が出題されやすいです。しかし、本問は17年前の法改正に関するものであり、出題頻度から見ても特に重要事項ではないという珍しい出題パターンです。そのため、個人的にはこの問題は捨て問題にしてしまっても仕方ないと思います。

参考までに、以下に解説を示します。

(1)と(2)に関して、2004(平成16)年5月公布、2006(平成18)年4月施行の大気汚染防止法の改正によって、VOCの大気排出量を2000(平成12)年度実績を基準にして、2010(平成22)年度までに3割程度削減することが目標となりました。

よって、(1)は正しい一方で、(2)の「5割程度」が誤りです。正しくは「3割程度」となります。

(3)に関して、VOCの発生源は主に有機溶剤であり、特に塗料や印刷インキ、接着剤として使われることが多いです。よって、(3)は正しいです。

(4)、(5)に関して、この法改正によって、大規模排出施設は排出濃度が規制されることになり、それ以外の中小施設は排出濃度を抑制する自主的取り組みが求められるようになりました。よって、(4)も(5)も正しいです。

以上から、正解は(2)となります。

コメント