R5年 大規模水質特論 問3 問題と解説

 問 題     

海洋生態系モデルにおける、植物プランクトンの増殖速度の計算で用いる光の制限項LTLIMに関する記述として、不適切なものはどれか。

  1. 温度の関数であるポテンシャル比増殖速度、LTLIM及び栄養塩制限項の3つの積により、比増殖速度が求まる。
  2. LTLIMと光強度Iの関係を表す式として、Iの増加とともにLTLIMが最大値1に近づく式は、強光阻害の効果が考慮されていない。
  3. 水中での深さ方向の光強度は、ランバート-ベールの法則に従って減衰する。
  4. 光の消散係数は、対象海域水固有の消散係数と溶存有機物濃度から求めることができる。
  5. 水面の太陽光強度の日変化は、最強日射量と日の出から日の入りまでの日長を用いた経験式で近似できる。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

この問題で覚えておきたい知識は、(1)と(3)です。しかし、本問の正解は(4)であり、出題頻度から見ても特に重要事項ではないため、個人的には捨て問題にしてしまっても仕方ないと思います。ただし、運任せにするとしても(1)と(3)を除いた3択までは絞りたいところです。

一応正解を示すと、(4)の光の消散係数は下式で表すことができます。

  • K:光の消散係数
  • k0:水固有の消散係数
  • P:植物プランクトン量

よって、(4)の「溶存有機物濃度」が誤りで、正しくは「植物プランクトン量」となります。

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