R4年 水質有害物質特論 問7 問題と解説

 問 題     

オゾン酸化法によるシアン排水の処理に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 有害な副生成物が生成しにくい。
  2. オゾンを溶解する気液反応が律速となる。
  3. 微量の銅が存在するとシアンの酸化分解反応が阻害される。
  4. ニッケルシアノ錯体は処理可能である。
  5. 鉄、金、銀のシアノ錯体は分解困難である。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

(1)は正しいです。オゾン酸化法では、シアンはオゾンとの反応により、窒素と炭酸水素塩までに酸化分解されます。これら主生成物はほぼ無害な物質であり、特に有害な副生成物が生成する心配もありません。

(2)も正しいです。オゾン酸化法における処理の律速段階は、オゾンの水への溶解過程です。ここのスピードを簡単に変えることはできないため、オゾン酸化法は有用な処理方法であるものの、時間的な効率が少し悪いです。

(3)が誤りです。オゾン酸化法では、酸化分解反応において微量の銅が触媒効果を持ちます。よって、(3)にあるように「シアンの酸化分解反応が阻害される」のではなく、むしろ反応が「促進」されます。

(4)と(5)はどちらも正しいです。オゾン酸化法はニッケル錯体などを分解できますが、鉄、金、銀錯体の分解は不得意です。

以上から、正解は(3)となります。

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