R4年 公害総論 問12 問題と解説

 問 題     

騒音・振動及び悪臭の苦情件数に関する記述として、誤っているものはどれか(令和元年度総務省公害等調整委員会報告書、令和元年度環境省騒音規制法施行状況調査報告書及び振動規制法施行状況調査報告書による)。

  1. 典型7公害の種類別苦情件数は、騒音が最も多い。
  2. 典型7公害の種類別苦情件数において、振動の苦情件数は、悪臭の苦情件数より多い。
  3. 典型7公害の総苦情件数に対する振動苦情件数の割合は、近年ほぼ横ばいの傾向にある。
  4. 振動の苦情件数と騒音の苦情件数との比率は、近年ほぼ一定で推移している。
  5. 騒音及び振動の苦情件数を発生源別にみると、どちらも建設作業が最も多い。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

まず、選択肢(1)~(3)にある典型7公害とは、以下の通りです。今回はこれを知らなくても解けますが、重要事項として押さえておきたい内容です。

  1. 大気の汚染
  2. 水質の汚濁
  3. 土壌の汚染
  4. 騒音
  5. 振動
  6. 地盤の沈下
  7. 悪臭

(1)は正しいです。近年は騒音が3割以上で最も多く、次に大気汚染が3割程度、その次に悪臭が2割程度…と続いています。この傾向はしばらく続いていますが、特に騒音と大気汚染は順位が入れ替わることもあるので、試験前には最新の情報を総務省の公害苦情調査結果から確認しておいてください。

(2)が誤りです。(1)の解説の通り、苦情件数のトップ3は騒音・大気汚染・悪臭となっています。よって、振動の苦情件数は悪臭の苦情件数よりも少ないです。

(3)は正しいです。総苦情件数に対する振動苦情件数の割合を直近10年程度で見てみると、3~4%程度となっています。しかし、この数値を知識として覚えておく必要はありません。むしろ、典型7公害どれをとっても総苦情件数に対するその苦情件数の割合は横ばいなので、それを知っていれば(3)は正しいと判断できます。

(4)も正しいです。(3)の解説の通り、典型7公害の苦情の構成比はいずれも横ばいです。よって、振動の苦情件数と騒音の苦情件数との比率も、近年ほぼ一定で推移しているといえます。

(5)も正しいです。騒音・振動ともに、苦情内容の1位は建設作業騒音で、2位が工場・事業場騒音となっています。これは年によらず、例年この順番を維持しています。

以上から、正解は(2)となります。

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