R4年 大規模水質特論 問8 問題と解説

 問 題     

製油所における排水とその処理に関する記述として、不適切なものはどれか。

  1. SSの除去は、排水に硫酸アルミニウム、塩化鉄(Ⅲ)などを添加し、SSの沈殿速度を速めて除去する凝集沈殿プロセスなどで行う。
  2. 排水中の油分の分離装置としては、遊離油を自然浮上させてかき取るAPIオイルセパレーターなどがある。
  3. APIオイルセパレーターにより、排水中の油分(ノルマルヘキサン抽出物質)濃度は、1mg/L以下に下げることができる。
  4. 排水中のBOD、COD及びフェノールの除去には活性汚泥プロセスが用いられる。
  5. 原油中の硫化水素、水素化処理で生じた硫化水素やアンモニアは、排水ストリッパーで加熱分離される。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

(3)に関して、APIオイルセパレーターは、(2)に書かれている通り、水よりも油のほうが軽いから、自然に任せていれば油分が浮いてきて除去できる…という重力分離を利用した油分の分離装置です。

仕組みが簡単で油分を効果的に分離することができますが、さすがにこれだけで排水中の油分(ノルマルヘキサン抽出物質)濃度を1mg/L以下という低濃度まで処理することはできません。そこで、実際にはオイルセパレーターの後段に活性汚泥プロセスを用意することで、油分をほぼ完全に除去しています。

よって、(3)の「1mg/L以下に下げることができる」という記述が誤りなので、正解は(3)となります。

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