R3年 大気有害物質特論 問5 問題と解説

 問 題     

ガス吸着装置に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 固定層吸着装置には、吸着剤の取り出しが容易なカートリッジ式がある。
  2. 固定層吸着装置で、濃度の高いガスの連続的な吸着を行う場合は、2基以上の吸着塔を用い、吸着‒脱着のサイクルを繰り返す必要がある。
  3. 移動層吸着装置では、吸着剤を充塡状態で下部から上部へ移動させ、ガスを向流あるいは十字流に接触させる。
  4. 移動層吸着装置の一種であるハニカム形ローター式吸着装置は、低濃度ガスの濃縮に使用される。
  5. 流動層吸着装置は、移動層吸着装置よりガス速度を大きくとることができて処理量が大きいが、吸着剤の摩損も大きい。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

(3)で、移動層吸着装置では、吸着剤を充塡状態で上部から下部へ移動させ、ガスを向流あるいは十字流に接触させます。よって、問題文の「上部」と「下部」が反対なので、これが誤りの記述です。

移動層吸着装置では、その名の通り吸着剤自体が移動するのが特徴です。ここで、吸着剤がもし(3)の記述のように下部から上部へ移動するとなると、重力に逆って動くことになるので、吸着剤を持ち上げる装置や仕組みが必要となります。

一方、吸着剤が上部から下部へ移動する場合には、重力に従って落ちていくだけなので、吸着剤を移動させるための装置などは必要ありません。よって、吸着剤は上部から下部へ移動させるのが実用的です。

また、ガスの向きは主に向流(十字流の場合もあります)なので、ガスは下部から上部に進みますが、ガスは軽い上に勢いがあるため、特にガスを持ち上げる装置などがなくても下部から上部へ流れていきます。

以上から、正解は(3)となります。

コメント