R3年 大気有害物質特論 問4 問題と解説

 問 題     

ガス吸着に関する記述中、(ア)~(ウ)の中に挿入すべき語句の組合せとして、正しいものはどれか。

吸着剤を充塡(じゅうてん)した層に吸着される物質(吸着質)を含む流体を流したときの、層出口における流体中の吸着質の濃度変化曲線を( ア )といい、一般に( イ )になる。

( ア )では、吸着質の濃度が通常、入口濃度の5~10%に達した点が( ウ )と呼ばれる。

  •   ア      イ     ウ
  1. 吸着等温線  S字形曲線   終末点
  2. 吸着等温線  対数曲線   終末点
  3. 破過曲線   対数曲線   破過点
  4. 破過曲線   S字形曲線   終末点
  5. 破過曲線   S字形曲線   破過点

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

( ア )に関して、ガス吸着における「時間」と「層出口における流体中の吸着質の濃度」との関係を表す曲線のことを「破過曲線」といいます。よって、( ア )には「破過曲線」が入ります。

ちなみに、吸着等温線とは、一定温度で吸着剤が気体と接して平衡状態にある場合の「吸着量」と「ガス濃度」との関係を表す曲線を指します。

( イ )に関して、破過曲線は下図のようなグラフになります。

ガス吸着において、正常に機能している間は充塡層で有害物質をトラップできるので、層出口で吸着質は残っていません(上図グラフの左側)。

しかし、運転をしばらく続けていると充塡層が吸着飽和に達し、効果を発揮しなくなります。すると、それを境に層出口で吸着質の濃度が急激に上がってきます。そのことを「破過」といい、グラフ上の点を「破過点」といいます。

よって、破過曲線は急激なS字カーブを描くため、( イ )には「S字形曲線」が入ります。

( ウ )についても上記で解説済みです。問題文の「吸着質の濃度が通常、入口濃度の5~10%に達した点」というのが、破過曲線で急激に上がるところのことなので、( ウ )は「破過点」が入ります。

以上から、正解は(5)です。

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