R3年 水質概論 問9 問題と解説

 問 題     

自然湖岸における植生の分類と代表的な植物の組合せとして、誤っているものはどれか。

  • (植生の分類)  (植物)
  1. 湿生植物  アゼスゲ
  2. 抽水植物  ヨシ
  3. 浮葉植物  アサザ
  4. 沈水植物  エビモ
  5. 浮漂植物  マコモ

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

水質の指標となる生物に関する問題は頻出ですが(たとえばR1年 水質概論 問9)、今回は植生の分類と植物の組合せが問われているので、このパターンは珍しい出題といえます。

植生による水質の浄化作用として特に有名なのは、ヨシとマコモです。

これらは両方とも抽水植物に分類されます。抽水植物とは、水位の浅いところに生える植物で、水底の土に根を張り、葉や茎は水面から上に出ているような植物です。

ヨシとマコモのような抽水植物は河川や湖沼の水際で見られ、以下の3つの効果で水質の浄化につながっています。

  1. 植生によって水の流れが緩やかになり、懸濁物質が堆積しやすくなる。
  2. 藻類やバクテリアが植生に棲みつき、水中の有機物を分解する。
  3. 植生自体が水中の栄養塩(りんや窒素)を吸収する。

以上を踏まえて選択肢を見ると、(2)でヨシは抽水植物と書かれていますが、(5)でマコモは浮標植物となっています。よって、(5)の「浮標植物」が誤りで、正しくは「抽水植物」となります。

この問題は、極端に難易度が高いとまではいえませんが、出題頻度から考えて捨て問題にしてしまっても構わないと思います。

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