R3年 汚水処理特論 問22 問題と解説

 問 題     

流れ分析法に関する記述中、下線を付した箇所のうち、誤っているものはどれか。

流れ分析法は、フローインジェクション分析(FIA)法と連続流れ分析(CFA)法に大別される。いずれも水試料、試薬を(1)細管中に流し、(2)反応操作などを行った後、検出部で分析成分を検出して定量する方法である。

(3)CFA法は、(1)細管内の試料又は試薬の流れの中に(4)気体を導入して分節する。分節を行う主な理由は、管の中の流れが(5)層流となり、試料や試薬がよく混合されるからである。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

流れ分析法の概要は(1)や(2)を含む段落で説明している通りです。

そして次の段落ではCFA法について書かれていますが、これは図示したほうが理解しやすいと思うので、まずは次の図を見ながら、ホースの中に水が流れているのをイメージしてください。

左側から試薬が入り、少し後段で気体が注入され、その後に試料が追加されます(試薬と試料は逆でも構いません)。もしここで気体を入れないとすると、試薬の流れに試料が注入されますが、それだけでは試薬と試料が十分に混合されません。

そこで、空気の玉を入れることで、試薬の流れを連続ではなく断続的に変え(このことを「分節」といいます)、それによって、分節された狭い空間で試薬と試料が十分に混ざり合うという工夫がなされています。このようなときの不規則な水の流れを「渦流」または「乱流」といいます。

問題文中の(5)は「層流」となっていますが、これは規則的な水の流れを指す言葉です。上図において気体を吹き込まなければ層流となりますが、これでは試薬と試料が混ざりにくく、反応が十分に進まないおそれがあります。だからこそ、あえて気体を吹き込んで渦流を作っています。

よって、(5)の「層流」が誤りであり、ここは「渦流」や「乱流」とするのが正しいです。

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