R3年 汚水処理特論 問14 問題と解説

 問 題     

汚泥負荷0.4kgBOD/(kgMLSS・日)、容積負荷0.8kgBOD/(m3・日)で標準活性汚泥法の処理をしている。返送汚泥濃度6000mg/Lで運転する場合、返送汚泥率をいくらにすればよいか。

ただし、曝気槽への流入排水のSSは無視するものとする。

  1. 0.2
  2. 0.3
  3. 0.5
  4. 0.6
  5. 0.8

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

標準活性汚泥法の処理を図示すると、下図のように描くことができます。

  • MLSS:曝気槽内のSS濃度をMLSS
  • SSin:流入排水のSS濃度
  • SSr:返送汚泥濃度
  • 1:流入排水量
  • r:返送汚泥量

上図では流入排水量を勝手に1としています。本問は返送汚泥率を求める問題で割合の話なので、これは100でもVなどの文字式でも好きに設定して構いません。この解説では1とします。

ここで、曝気槽に流入するSS量と曝気槽から流出するSS量は等しいので、上図より、次の等式が成り立ちます。

ここで、返送汚泥量をrとしていますが、流入排水量を1としているので返送汚泥率はr/1となり、つまりrがそのまま返送汚泥率ともいえます。

また、上式のうちSSinは問題文より無視できるので、0を代入します。SSrも問題文で与えられていて、6000 [mg/L] となります。MLSSについては直接与えられていませんが、容積負荷と汚泥負荷から次のように計算できます。

よって、これらを先程の式に代入すると、返送汚泥率を求めることができます。

以上から、正解は(3)です。

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