R2年 水質有害物質特論 問12 問題と解説

 問 題     

イオンクロマトグラフ法に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 溶離液を移動相とし、イオン交換体などを固定相とした分離カラムでイオン種成分を分離する。
  2. 検出器には、主に電気伝導度検出器が用いられる。
  3. サプレッサは、バックグラウンドとなる電気伝導度を低減するための装置で、膜透析形、カラム除去形などがある。
  4. 電気伝導率の高い強酸又は塩基性溶液を溶離液として用いるノンサプレッサ装置も普及している。
  5. アンモニア、アンモニウム化合物、亜硝酸化合物及び硝酸化合物の検定に用いられる。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

イオンクロマトグラフ法には、サプレッサ法とノンサプレッサ法があります。

サプレッサ法とは、(3)にあるように、溶離液の強電解質を除去して、電気伝導度のバックグラウンドを低減する方法です。ちなみに、サプレッサの名称は、suppress(抑制)からきています。

一方、ノンサプレッサ法はサプレッサを用いない方法です。電気伝導度を低減しない方法なので、当量電気伝導率が比較的低い有機酸を溶離液として使います。

ここで(4)を見ると、ノンサプレッサなのに電気伝導率の高い溶離液を使うと書いてあります。もし電気伝導率の高い溶離液を使うなら、バックグラウンドを低減する装置(サプレッサ)を使わないと測定誤差が大きくなるので、これは不適切な文章です。

「電気伝導率の高い強酸又は塩基性溶液」のところを「当量電気伝導率が比較的低い有機酸」などに改めると、正しい文章となります。

よって、正解は(4)です。

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