問 題
金属の毒性に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 同じ金属でも化学種によって毒性が異なることが多い。
- 暴露経路によって毒性の発現が異なることが多い。
- 一時に多量暴露した場合でも、少量ずつ長期間暴露した場合でも、総暴露量が同じであれば毒性の程度は同じである。
- 複数の金属による複合汚染では、それぞれの毒性が弱められることもある。
- メタロチオネインが生合成されると、重金属に対し解毒作用を及ぼす。
正解 (3)
解 説
この問題では、確固たる知識がなくても感覚的に(3)が誤りであると気づけてほしい問題です。
毒性というのは総暴露量だけではなく、一度にどのくらい暴露したのかも毒性に影響します。たとえば、(この問題のように金属ではありませんが)塩を想像してみてください。塩分は生きるのに必須ですが、一生の間に摂取する塩分を一度に摂取したら、簡単に致死量を超えてしまいます。
考え方としては金属でも同様です。金属の種類などによっては急性毒性よりも慢性毒性のほうが問題視されやすいものもあるため、必ずしも一度に暴露するほうが有害とはいえませんが、いずれにせよ、(3)にある「毒性の程度は同じである」というのは誤りです。
よって、正解は(3)となります。
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