R2年 汚水処理特論 問20 問題と解説

 問 題     

溶存酸素の測定に関する記述中、下線を付した箇所のうち、誤っているものはどれか。

隔膜式電極法は、試料中の溶存酸素だけを通す膜を通過した酸素によって(1)金属電極間に発生する(2)電流値から、溶存酸素濃度を求める。

光学式センサ法は、蛍光物質やりん光物質などが塗布されたセンサキャップ、(3)励起光源(4)光検出部から構成され、塗布された蛍光物質やりん光物質が発する光が試料中の溶存酸素による(5)増光作用等を受けることを利用して溶存酸素濃度を求める。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

溶存酸素の測定は以下の4種類です。

  • よう素滴定法(ウィンクラー-アジ化ナトリウム変法)
  • ミラー変法
  • 隔膜電極法(溶存酸素電極による測定法)
  • 光学式センサ法

このほかに比色検定もありますが、これは簡易測定法であり、厳密な測定法としては規定されていません。

このうち今回は隔膜電極法と光学式センサ法の説明文が出題されていますが、これらの測定法の原理にまで踏み込むのはマイナーな知識が問われていると感じるので、個人的には捨て問題扱いしてしまっても構わないと思います。

とはいえ、正解を選ぶだけなら実はあまり難しくない問題であるともいえます。というのも、(5)の周りの文章を読むと、「光に酸素をぶつけると増光する」というようなことが書いてありますが、酸素自体が発光体でもない限り、そんなわけはありません。

たとえば太陽光が地球に降り注いでいるのを考えると、地球の大気(酸素)によってある程度光を吸収するので、地表は程良く温められます。これが大気のない惑星になると、太陽光を遮るものがなく、すごい量の太陽光(紫外線や放射線含む)を浴びてしまうことになります。

よって、溶存酸素が多いところに光を通すとその光は弱まるため、(5)の「増光作用」が誤りで、正しくは「消光作用」となります。

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