R2年 汚水処理特論 問14 問題と解説

 問 題     

活性汚泥法において、汚泥生成量は次式から求められる。

ここで、ΔSは汚泥生成量(kg/日)、Lrは除去BOD量(kg/日)、Saは曝気槽内汚泥量(kg)、aは除去BODの汚泥への転換率(kg MLSS/kg BOD)、bは内生呼吸による汚泥の自己酸化率(1/日)である。

いま、一定の汚泥滞留時間(SRT)で余剰汚泥が引き抜かれ、BOD-SS負荷量が0.4(kg BOD/(kg MLSS・日))、BOD除去率が95%で運転されているときに活性汚泥法が定常状態であるとすると、SRTとして最も近い値(日)はどれか。

ただし、定常状態では比増殖速度(ΔS/Sa)がSRTの逆数に近似でき、aは0.5、bは0.05とする。

  1. 3
  2. 7
  3. 10
  4. 15
  5. 20

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

まずは問題文で与えられた式に、わかっている数値(aとb)を代入します。

問われているのはSRTの値ですが、「ΔS/SaがSRTの逆数に近似でき」とのことなので、とりあえず「ΔS/Sa」の形を作るため、上式の両辺をSaで割ると下式のようになります。

ここで、右辺の「Lr/Sa」は、除去BOD量(kg BOD/日)を曝気槽内汚泥量(kg MLSS)で割った値なので、問題文で与えられているBOD-SS負荷量が0.4(kg BOD/(kg MLSS・日))を利用することができます。

ただし注意点として、BOD除去率が95%なので、Lr/Saがそのまま0.4になるわけではなく、0.95倍する必要があります。

よって、これを先程の式に代入すると、次のようになります。

最後に、ΔS/SaがSRTの逆数なので、以下のように計算すればSRTの値を算出することができます。

よって、正解は(2)です。

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