R2年 汚水処理特論 問8 問題と解説

 問 題     

イオン交換に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 2相間においてイオンが互いに入れ換わる反応をイオン交換反応といい、イオン交換をする母体をイオン交換体と呼ぶ。
  2. イオン交換樹脂は、純水製造をはじめとして、排水からのレアメタルなどの有価物の回収、微量の重金属イオンの除去などに用いられる。
  3. イオン交換法の採用に当たっては、再生廃液の処分に関して考慮しておく必要がある。
  4. 通常のイオン交換装置では、破過点まで吸着できるイオン量は全イオン交換容量と等しい。
  5. イオン交換処理の計算を容易にするために、通常は被処理水のイオン濃度、樹脂の交換容量は炭酸カルシウムに換算して表示される。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

(4)に関して、全イオン交換容量は、「破過点まで吸着できるイオン量」ではなく「イオン交換でき得る交換基の数」です。つまり、全イオン交換容量はあくまで理論的な計算値であり、実際にはもっと早く破過してしまうことが多いです。

破過点について、ある条件で通水していて一定時間を超えると、急に処理水濃度が原水濃度に近づいてしまうことがあります。これは充塡層が吸着飽和に達し、効果を発揮しなくなったためで、この飽和に達した点のことを破過点といいます。

よって、(4)の記述が誤りなので、これが正解となります。

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