R2年 汚水処理特論 問7 問題と解説

 問 題     

塩素による酸化に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 塩素を水に溶かすと、pHが5.6以下ではHClOはほとんど存在しない。
  2. 水中にアンモニアが存在すると、塩素と結合してクロロアミンを生じる。
  3. HClO及びClOは遊離塩素に含まれる。
  4. 塩素の酸化力は、ClOよりもHClOのほうが強い。
  5. アンモニアの不連続点塩素処理では、不連続点より塩素注入率が大きくなると、残留塩素は主として遊離塩素の状態で存在している。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

塩素を水に溶かすと次亜塩素酸(HClO)が生成しますが、これはpHによって分子の形をとったりイオンの形をとったりします。

上記の化学反応式を見てもわかる通り、酸性条件下ではプロトン(H+)が増えるので、ルシャトリエの原理により平衡の矢印が左側に傾きます。よって、この場合、次亜塩素酸はイオンの形(ClO)ではなく分子の形(HClO)を取りやすくなります。

一方、塩基性条件下ではプロトン(H+)がなくなるので平衡の矢印は右側に傾き、次亜塩素酸は分子の形(HClO)からイオンの形(ClO)へと変化します。

よって、(1)に関して、pHが5.6以下でほぼ存在しないのは「HClO」ではなく「ClO」のほうです。

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