R2年 大規模水質特論 問3 問題と解説

 問 題     

閉鎖性水域における有機物や栄養塩に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. CODの内部生産には植物プランクトンの増殖が関係している。
  2. 海域のA類型のCOD環境基準は2mg/L以下である。
  3. 海底堆積(たいせき)物からの栄養塩の負荷量は、海域によらず一定の値を用いる。
  4. 外洋から対象海域に供給される負荷は、その海域のバックグラウンドの水質を決める主要な因子である。
  5. 負荷の発生源として、農地、畜産排水、山林などについても発生量を把握する必要がある。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

(3)に関して、世界中の陸地の土の成分が均一でないのと同様に、海底の土壌に含まれる栄養塩の成分や量も場所によって異なっています。

さらに、閉鎖性水域の場合は外洋との水交換が悪く、工場排水などが湾内に流入することで富栄養化を招きやすいですが、それもその土地の状況次第です。また、当然ですが生息している動物や植物の状況も異なります。

これらの要素のどれもが、長い時間が経てば海底堆積物の一部となり、また反対に、海底堆積物からの栄養塩の負荷も無視できないくらい大きくなります。

以上のように、海底堆積物からの栄養塩の負荷は海域ごとに異なってくるので、それぞれの状況を観測から求める必要があります。

よって、(3)の記述のように「海域によらず一定の値を用いる」ことはできません。

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