R1年 大気概論 問10 問題と解説

 問 題     

石綿(アスベスト)に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 天然鉱物に産する繊維状けい酸塩鉱物のうち、6種類の鉱物が石綿と定義されている(ILO)。
  2. 石綿暴露作業に従事すると、石綿肺、肺がん、胸膜等の中皮腫などの発生の危険度が高まる。
  3. 石綿暴露による肺がんの危険度は、喫煙が加わると有意に高まる。
  4. クリソタイルは、アモサイトやクロシドライトに比べて、中皮腫発生の危険度が高いとされている。
  5. 石綿及び石綿をその重量の0.1%を超えて含有する製剤その他の物の製造、輸入、譲渡、提供又は使用が原則禁止されている。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

先に正解を示すと、(4)の記述が誤りで、クリソタイルよりもアモサイトやクロシドライトのほうが中皮腫発生の危険性(発がん性)は高いです。

日本で石綿(アスベスト)があまり普及していない頃、アメリカなどではアモサイトやクロシドライトが多く使われていました。しかし、これは発がん性などにより早々に使用禁止となり、その代わりにクリソタイルを使うようになりました。

その後、日本でも多く石綿を使うようになったため、日本では石綿といえばクリソタイルという感じになっています。実際、日本で工業的に使用された石綿の95%以上はクリソタイルです。

なお、現在ではクリソタイルも使用禁止になっています。

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