R1年 大規模大気特論 問6 問題と解説

 問 題     

風洞実験に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 地形や建屋の影響に関しては、実大気との相似則を満たしやすい。
  2. 中立な大気中での拡散の再現は容易である。
  3. 安定あるいは不安定な気層の再現には、高度な技術が必要である。
  4. 新設の設備では、大気境界層の特性など、風洞の基本的性能を事前に確認する必要がある。
  5. 一般的な風洞実験で得られる濃度は、数時間程度の平均化時間に対応している。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

風洞実験とは、模型を使って地形や建物による影響を再現する手法です。

実物大と比べるとはるかに小さい模型を使うので、パスキルの大気安定度のうち最も普通である「中立」条件なら再現しやすいですが、両極端である「安定」や「不安定」な気層を再現するのは難しいです。

また、やはり模型の大きさに限界があるので、模型にガスを流しても比較的早く拡散してしまい、長い平均化時間に対応する実験はやりにくいです。一般的に用いられる模型は数分程度の平均化時間に対応した濃度を求めるためのものになっています。

よって、(5)の「数時間程度」が誤りで、正しくは「数分程度」となります。

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