H30年 水質有害物質特論 問5 問題と解説

図は、凝集沈殿法とN‒メチルグルカミン形イオン交換樹脂による吸着法とを組合せた、ほう素排水処理フロー例である。添加剤(A)(B)、再生剤(C)の組合せとして、最も適切なものは(1)~(5)のうちどれか。

    A      B     C

  1. 硫酸バンド  Ca(OH)2  H2SO4
  2. 硫酸バンド  Mg(OH)2  NaOH
  3. 硫酸バンド  NaOH   NaOH
  4. 塩化鉄(Ⅲ)  Ca(OH)2  NaOH
  5. 塩化鉄(Ⅲ)  Mg(OH)2  H2SO4

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

ほう素排水を凝集沈殿法で処理する方法は、アルミニウム塩と水酸化カルシウムの併用法を用いるのが一般的です。

(A)の選択肢にある硫酸バンド(硫酸アルミニウム)と塩化鉄(Ⅲ)はどちらも優秀な凝集剤ですが、ほう素との相性が良いのはアルミニウム塩のほうなので、(A)には「硫酸バンド」が入ります。ちなみに、硫酸バンドと硫酸アルミニウムは全く同じものです。

(B)について、上記の通り、この処理方法はアルミニウム塩と水酸化カルシウムの併用法なので、(B)には「Ca(OH)2」が入ります。

(C)について、ほう素吸着塔にあるN‒メチルグルカミン形イオン交換樹脂でほう素を吸着させることができますが、このイオン交換樹脂が飽和してきた場合には、硫酸溶液を使えばキレート樹脂の再生とほう素の回収を行うことができます。よって、(C)には「H2SO4」が入ります。

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