H30年 汚水処理特論 問10 問題と解説

汚水処理から生じた汚泥の焼却に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 有機質の汚泥を焼却する目的の一つは、体積を減らし、取り扱いを容易にすることである。
  2. 汚泥を補助燃料なしに自燃させるには、含水量を減らし、単位重量当たりの発熱量を高める必要がある。
  3. 流動焼却炉では炉の中に礫(れき)などの流動媒体を入れ、上方から高温ガスを送入して流動化させ、この流動層内に汚泥を供給して燃焼させる。
  4. 向流式横形回転炉(ロータリーキルン)では、汚泥は燃焼用空気とは逆向きの流れで移動しながら乾燥され、最終的に燃焼する。
  5. 焼却処理においてダイオキシン類の発生を抑制するには、燃焼温度の管理が重要である。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

(3)の記述には誤りが2つあります。一つは、「礫(れき)」が誤りで「砂」が正解です。もう一つは、「上方から」ではなく「下方から」です。

流動焼却炉では、流動砂と呼ばれる砂を流動媒体にしています。この砂を高温のガスで下方から吹き上げることで砂が噴水のように舞い上がり(噴水はちょっと言い過ぎなので、あくまでイメージの参考までに…)、流動化が起こります。

礫(石ころ)では重すぎてガスで舞い上がらず、流動媒体にならないため、礫ではなく砂を用いる必要があります。

また、炉の中に砂が入っているのに、ここに上からガスを吹き付けても表面が高温になるだけで流動化しません。砂を巻き上げるために、ガスは下方から送る必要があります。

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