H30年 汚水処理特論 問2 問題と解説

工場排水対策に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 工場内の排水は大別して、製造排水、冷却排水、衛生排水に分けられる。これらを混合して処理することは得策ではないので、排水系統の分離を検討する。
  2. 工場内の水の使用系統を調べ、水収支を明らかにしておく。
  3. 洗浄工程では、向流多段洗浄を取り入れることで、同じ洗浄効果を得るのに必要な洗浄水の量を、個別のバッチ洗浄と比較して大きく減らすことができる。
  4. 排水量の少ない生産工程に変更するには、水処理技術者と生産プロセス技術者の緊密な連携が必要である。
  5. 一般に、ある製品を生産するときの汚濁負荷量は一定とみなされるから、排水量を減少させれば排水中の汚濁物質の濃度も減少する。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

(5)の前半は正しいです。一般的には何かを作るとき、ある一定の汚濁負荷量が生じてしまいます。ここでのポイントは、「濃度」ではなく「量」ということです。

たとえば汚濁負荷量が100kg出たとして、これを100m3の排水量で流したとしたら、その濃度は1kg/m3となります。ここで、もし排水量を半分の50m3にしたら、汚泥負荷量は変わらず100kgなので、その濃度は100/50=2kg/m3のように濃くなります。

以上のことから、排水量を減少させればその分排水中の汚濁物質の濃度は増加するので、(5)の「減少」が誤りで、正しくは「増加」となります。

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