H30年 公害総論 問1 問題と解説

環境基本法に関する記述中、(ア)~(オ)の中に挿入すべき語句(a~i)の組合せとして、正しいものはどれか。

  1. 政府は、( ア )に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、( ア )に関する基本的な計画(以下「( イ )」という。)を定めなければならない。
  2. ( イ )は、次に掲げる事項について定めるものとする。
    一 ( ア )に関する総合的かつ長期的な施策の大綱
    二 前号に掲げるもののほか、( ア )に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
  3. ( ウ )は、( エ )の意見を聴いて、( イ )の案を作成し、( オ )を求めなければならない。
  4. ( ウ )は、前項の規定による( オ )があったときは、遅滞なく、( イ )を公表しなければならない。
  5. 前二項の規定は、( イ )の変更について準用する。
  1. 公害の防止
  2. 公害防止計画
  3. 環境の保全
  4. 都道府県知事
  5. 中央環境審議会
  6. 閣議の決定
  7. 環境基本計画
  8. 環境大臣
  9. 内閣の同意

 ア イ ウ エ オ

  1. a b h d i
  2. a b d h i
  3. c g d h f
  4. c g h e f
  5. c d h e i

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

問題文は、環境基本法第15条(環境基本計画)です。この項の本文は以下の通りとなります。

  1. 政府は、環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、環境の保全に関する基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。
  2. 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
    一 環境の保全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱
    二 前号に掲げるもののほか、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
  3. 環境大臣は、中央環境審議会の意見を聴いて、環境基本計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
  4. 環境大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、環境基本計画を公表しなければならない。
  5. 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。

よって、(4)が正解ということになります。

これは環境基本法の中でも重要なものの一つなので内容を知っておくことが理想ですが、必ずしも知識問題というわけではありません。試験中に知識がなくて即答できない場合は、以下のような判断で正解を導けます。

まず、(ア)には「a公害の防止」または「c環境の保全」が入ります。これらを複数ある(ア)のどこに入れても大体文章として成り立つので、ここでの判断は難しいのでスルーします。

続いて、(イ)です。1の文章で(イ)を定めるという話になっていますが、「d都道府県知事」を定めるというのは意味がわからないので、この時点で選択肢(5)が除外できます。

(ウ)と(エ)について、3の文章では(ウ)が(エ)に意見を聴くとのことです。このような場合、普通は上の立場の責任者が下の立場の専門家に意見を聴く場合が多いです。下から上の場合は、意見を聴くというより、命令を受けるとか指示を仰ぐとかになるので、意見を聴くとはちょっと違います。

よって、(ウ)が「d都道府県知事」で(エ)が「h環境大臣」になっている選択肢(2)と(3)は誤りであると判断できます。また、都道府県知事は環境の専門家ではないので、彼らから意見を聴くというのも変な話です。よって、(エ)が「d都道府県知事」である選択肢(1)も不適であることがわかります。

以上から、残る選択肢(4)が正解であると導くことができます。

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