H30年 ばいじん・粉じん特論 問4 問題と解説

コロナ放電により作られる単極性イオン場でのイオン輸送機構に関する記述中、(ア)~(ウ)の中に挿入すべき語句の組合せとして、正しいものはどれか。

電気力による電気力線に沿った輸送により荷電が行われる場合を( ア )という。この機構では、粒子帯電量は( イ )に比例し、粒子径が( ウ )μm以上の粒子で支配的となる。

   ア     イ     ウ

  1. 拡散荷電  粒子体積   0.1
  2. 拡散荷電  粒子表面積  0.1
  3. 電界荷電  粒子体積   0.1
  4. 電界荷電  粒子表面積  2
  5. 電界荷電  粒子体積   2

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

(ア)には「拡散荷電」または「電界荷電」が入りますが、問題文には電気力線と書いてあるので、ここは「電界荷電」が正しいです。一方の「拡散荷電」は熱拡散運動による輸送です。動き方の特徴として、電界荷電は電気力線に沿って動きますが、拡散荷電は熱運動のためランダムな動き方をします。

(イ)について、粒子の帯電量は、電界荷電だと粒子径の2乗に比例し、拡散荷電だと粒子径に比例することを覚えておいてください。これは頻出事項です。今回は電界荷電なので粒子径の2乗に比例するのですが、問題文の「( イ )に比例」と合いません。

選択肢を見ると「粒子体積」または「粒子表面積」となっていますが、径の2乗が面積と比例関係にあるので(蛇足ですが、球の表面積=4πr2)、ここは「粒子表面積」を入れるのが適当です。

(ウ)に関して、微粒子の荷電は、粒子径が約2μm以上の粒子だと電界荷電が支配的となり、それより小さい粒子では拡散荷電が支配的となります。よって、(ウ)には「2」が入ります。

よって、正解は(4)です。

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