H29年 大気特論 問7 問題と解説

高温腐食に関する記述中、下線を付した箇所のうち、誤っているものはどれか。

重油中に含まれる(1)バナジウム(2)ナトリウムなどの金属化合物が、(3)過熱器、再熱器などの高温伝熱面に主に(4)気相析出する。伝熱面の表面は、その母材金属の酸化被膜で覆われて酸化の進行を防いでいるが、この上に付着した金属化合物が(5)融剤となって腐食が進行する。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

バナジウムは高温になると溶け出して、燃焼装置の伝熱面に付着し、腐食させます。また、そこにナトリウムが存在すると燃焼ガス中のSOxと反応して硫酸ナトリウムとなり、これが腐食作用を促進します。このような高温腐食現象をバナジウムアタックと呼びます。

よって、バナジウムやナトリウムが気相での反応ではないため、(4)の「気相析出」が誤りで、たとえば「付着」などとするのが適切です。

参考までに、高温腐食対策としては以下のようなものが挙げられます。併せて確認しておいてください。

  • 高温部の伝熱面の表面温度を下げる
  • 伝熱面の付着物を落とす
  • ドロマイトなどの添加剤を注入して灰の融点を上げる
  • バナジウム、ナトリウムの少ない重油を使用する
  • 定期点検時などを利用し、スケールの除去を行う

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