H29年 大気特論 問3 問題と解説

ある気体燃料を完全燃焼させたとき、乾き燃焼排ガスの組成がN290.93%、CO25.04%、O24.03%となった。空気比はいくらか。

  1. 1.16
  2. 1.20
  3. 1.24
  4. 1.28
  5. 1.32

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

まず、前提知識として、空気中の成分は窒素が79%で酸素が21%です(正確にはアルゴン等々もありますが、問題文でもアルゴンには触れていませんし、特別に指定されている場合を除き、窒素と酸素のみで考えて問題ありません)。

また、燃焼反応によって酸素は消費されますが、窒素は燃焼反応に関わらないので、反応前後でその量が増えることも減ることもありません。ここで、反応後に余っているO2は4.03%ですが、その過剰なO2分に相当するN2の割合は、

から、15.16%であると算出できます。

一方、N2は問題文より90.93%あるとのことなので、先ほどの計算結果との差し引きで、

が、燃焼反応で消費されたO2分に相当するN2の割合であるということができます。

すると、消費されたO2分を次のように計算することができます。

(3)式と問題文から、消費されたO2と余っているO2との比が20.14:4.03であるとわかったので、以下のように空気比を計算することができます。

よって、正解は(2)です。


【別解】

空気比の問題では、上記の解説のように「全酸素量」と「消費された酸素量」の比を計算するのが定石です。

しかし、今回の場合は上記の(2)式で先に「全窒素量」と「消費された酸素量に対応する分の窒素量」の値がわかっています。そのため、これらの値を用いて比を求めても、酸素の場合と同様に空気比を求めることができます。

その場合は(2)式を踏まえて下式のように計算することができ、酸素を使った計算よりも少し楽に答えが出せます。

ただし、やはり酸素から計算するのが一般的だと思うので、この別解の説明にぴんと来ない場合はあまり気にせず、最初の解説通りに計算してください。最初の解説でも大した時間のロスにはならないと思います。

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