H29年 大気特論 問2 問題と解説

JISにおける液体燃料に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. ガソリンの密度は、軽油のそれより小さい。
  2. 自動車用ガソリンの2号は、オクタン価が90程度である。
  3. 灯油は用途によって2種類に分けられている。
  4. 軽油の硫黄分は0.0010質量%以下とされている。
  5. 軽油は動粘度によって、5種類に分類されている。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

(1)に関して、原油は分留すると、ガソリン、灯油、軽油、重油などに分けられます。この4つについて密度と沸点を比べると、密度も沸点も、ガソリン < 灯油 < 軽油 < 重油という関係が成り立ちます。よって、(1)は正しいです。

(2)について、これはややマイナーな知識を問うていますが、1号がオクタン価96以上、2号が89以上なので、正しい記述です。ただし、これについては知らなかった場合、この選択肢をスルーしても構わないと思います。

(3)で、灯油は1号と2号の2種類に分かれます。品質は1号のほうが良く(灯油に限らず、号数のあるものは1号のほうが高品質です)、暖房用など、室内で使用されます。一方、2号は外で使う動力の燃料などに用いられる傾向があります。よって、これも正しい記述です。

(4)は重要知識としてぜひ押さえておいてください。これも正しい記述です。

(5)について、軽油が5種類に分類されるのはその通りですが、その基準は動粘度ではなく、流動点[℃]です。流動点とは、液体状の軽油などをどんどん冷やしていったとき、固まり出す温度のことです。

いわゆる凝固点(または融点)と同じような感じですが、凝固点や融点は純粋な物質に対して用いる言葉であるのに対し、軽油や重油などは様々な物質の混ざりあった混合物なので、このような場合には流動点という呼び方をします。

ちなみに、5種類の軽油の流動点の大小関係は「特3号 < 3号 < 2号 < 1号 < 特1号」となります。

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