H29年 水質有害物質特論 問7 問題と解説

ほう素及びふっ素排水の処理に関する記述として、誤っているものはどれか。

1. ほう素排水を凝集沈殿法で処理する方法として、アルミニウム塩と水酸化カルシウムの併用法がある。
2. ほう素排水処理として用いる吸着樹脂として、N‒メチルグルカミン形イオン交換樹脂がある。
3. ふっ素はカルシウム塩と難溶性のふっ化カルシウムを生成するため、基準値以下まで処理が可能である。
4. 20～30mg/L程度以下のふっ素排水に対して、アルミニウム塩による凝集沈殿処理を用いることができる。
5. ふっ素吸着樹脂として、希土類水酸化物を交換体としたものが用いられている。

　解 説　　　　

ふっ化カルシウム法はふっ素除去の有用な処理方法のひとつですが、これだけではふっ素濃度が10～20mg/L程度までしか下がりません。これは、生成したふっ化カルシウムがわずかに水に溶けることや、コロイドを形成して浮いてしまう(＝沈殿しにくくなる)ためです。

よって、排水基準の8mg/Lを満たすためには、ふっ化カルシウム法を用いた後処理として、凝集剤や吸着剤を使うのが一般的です。