H29年 水質有害物質特論 問5 問題と解説

ひ素排水の処理に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 種々の重金属を含むひ酸排水は、重金属と難溶性塩を生成するため、pH調整するのみで共沈処理される場合が多い。
  2. 活性炭はひ素に対して選択性が高く、排水処理に適用される例は多い。
  3. 空気による曝気(ばっき)処理では、亜ひ酸の酸化は困難である。
  4. セリウム系キレート樹脂では、亜ひ酸の酸化処理は不要である。
  5. アルミニウム塩は、鉄(Ⅲ)塩に比べてひ酸の共沈処理効果が低い。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

活性炭はそれ自身、極性の小さなものです。吸着はファンデルワールス力によるもののため、極性物質よりも非極性物質(炭化水素など)との相性が良くなります。

一方、排水中のひ素はイオンの形をしていることが多く極性が大きいので、活性炭はひ素に対して選択性が低く、ひ素の排水処理としては使われません。

上記の通り、活性炭吸着法は基本的には非金属の処理方法として向いています。具体的には、有機りん(農薬)排水、PCB排水、有機塩素系化合物排水などが挙げられます。また、金属の中でも水銀やクロム(Ⅵ)など、一部については活性炭吸着法が有用です。

コメント