H28年 水質有害物質特論 問10 問題と解説

重金属排水の処理装置に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 重金属排水の処理における主な処理装置には、凝集沈殿装置とろ過装置などがある。
  2. 水銀や鉛のように排水基準値が厳しい物質では、高度処理として活性炭吸着塔やキレート樹脂塔を設置する場合がある。
  3. 凝集沈殿装置では、一般に凝集はpH3~4で、共沈剤として塩化鉄(Ⅲ)を使用する場合が多い。
  4. 処理水質が不安定な場合、排水由来の要因と処理装置由来の要因を考える必要がある。
  5. クロム、セレン、ひ素は酸化状態により処理特性が異なるので、処理しやすい酸化状態とする装置構成が必要になる。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

重金属類は酸性条件下でイオン化しやすいので、pHを3~4にしてしまうと水に溶けてしまって凝集沈殿できません。よって、中性またはアルカリ性条件にすることが重要です。

ただし、アルカリ性が強すぎても金属によっては溶解するため注意が必要です。共沈剤として塩化鉄(Ⅲ)を使う場合の最適pHは9~11くらい、硫酸アルミニウムを使う場合の最適pHは6~8くらいです。

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