H28年 汚水処理特論 問9 問題と解説

BOD容積負荷0.8kgBOD/(m3・日)、BOD汚泥負荷0.2kgBOD/(kgMLSS・日)で活性汚泥処理を行う場合、返送汚泥濃度8000mg/Lのとき、返送汚泥率として適切なものはどれか。ただし、流入排水のSSは無視するものとする。

  1. 0.2
  2. 0.3
  3. 0.5
  4. 0.8
  5. 1.0

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

返送汚泥率は流入排水量に対する返送汚泥量の比で表されます。

返送汚泥率の計算は上式で解けることもありますが、今回は流入排水量も返送汚泥量も不明なので別のアプローチを考えます。

下図は曝気槽と沈殿槽の図ですが、曝気槽に流入するSSと曝気槽から流出するSSは等しいので、流入排水量を1、流入排水のSS濃度をSSin、曝気槽内のSS濃度をMLSS、返送汚泥量をr、返送汚泥濃度をSSrとすると、

となります。ここで、返送汚泥量をrとしていますが、流入排水量を1としているので、返送汚泥率はr/1となり、つまりrがそのまま返送汚泥率ともいえます。

また、上式のうちSSinは問題文より無視できるので、0を代入します。SSrも問題文で与えられていて、8000となります。MLSSについては直接与えられていませんが、BOD容積負荷とBOD汚泥負荷から次のように計算できます。

よって、これらを先程の式に代入すると、次のようになり、返送汚泥率を求められます。

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