H27年 汚水処理特論 問22 問題と解説

ICP発光分光分析法で使用する試料導入部の模式図のうち、(ア)~(ウ)の名称の組合せとして正しいものはどれか。

    ア           イ         ウ

  1. ドレントラップ    スプレーチャンバー  ネブライザー
  2. ドレントラップ    ネブライザー     スプレーチャンバー
  3. スプレーチャンバー  ドレントラップ    ネブライザー
  4. スプレーチャンバー  ネブライザー     ドレントラップ
  5. ネブライザー     ドレントラップ    スプレーチャンバー

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

問題文では左から(ア)、(イ)、(ウ)となっていますが、試料が流れるのは右から(ウ)、(イ)、(ア)の順番です。

まず、試料溶液は(ウ)の「ネブライザー」でキャリアーガス(Ar、アルゴン)と混合されて霧状になります。「ネズライズ」というのは「噴霧する」という意味の英語なので、「ネブライザー」は「噴霧する者」、つまり「噴霧装置」と訳せます。

試料溶液が霧状になって噴霧される場所が、(イ)のスプレーチャンバーです。「チャンバー」が「部屋」という意味であることを知っていれば、図から明らかだと思います(余談ですが、「ハリー・ポッターと秘密の部屋」の原題は「Harry Potter and the Chamber of Secrets」です)。

ここで、霧状になった試料のうち、大きめの粒子はその重さによって下に落ち、小さめで軽い粒子だけが上側の発光部へと進みます。

径の大きな粒子は構成成分に「ムラ(偏り)」が生じやすいので、径の大きな粒子を測定するよりも、径が小さい粒子を数多く測定したほうが、試料自体の構成成分を精確に反映した測定結果が得られます。そのため、このスプレーチャンバーで試料を選別しています。

最後に、スプレーチャンバーから落ちてきた重い粒子は、ドレンチューブを通って(ア)の「ドレントラップ」へと進みます。「ドレン」というのは「排水」のことなので、(ア)は「排水トラップ」のことです。

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