H26年 汚水処理特論 問13 問題と解説

好気性生物膜法に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 生物膜法は微生物を支持体である固体表面に膜状に固定して処理を行う。このため、生物膜の内部では酸素濃度が低下する。
  2. 回転接触体法は、水平な軸に発泡スチロールの円板やプラスチックの波板を固定して、円板や波板を液中に完全に浸漬して回転させ、支持体に発生した生物膜により処理を行う。
  3. 接触曝気法は、曝気槽内に支持体を完全に浸漬させ、曝気により酸化分解する方式である。
  4. 好気ろ床法は、支持体を充塡したろ床の上部から排水を、ろ床下部から空気を吹き込み、ろ材表面に増殖した微生物により酸化分解を行う方式である。
  5. 担体添加法は、曝気槽に浮遊担体を添加し、担体を曝気により流動させながら酸化分解する方式である。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

回転接触体法の概要は以下の通りです。

まず、水平な軸に支持体(円板や波板)を通し、これを半分くらい液中に沈めます。この状態で支持体を回転させると、液中と気中をぐるぐると行き来することになります。

支持体に生物膜が発生しているとき、液中では汚水処理を行うことができて、一方の気中では酸素を吸うことで生物の増殖が可能となります。

このようにして生物膜の量・質を保ちながら汚水処理を行うというのが、回転接触体法の原理です。

よって、円板や波板を完全には液中に浸漬してしまうと生物の呼吸・増殖ができないため、(2)が誤りの記述で、正解の選択肢となります。

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