H26年 大規模大気特論 問7 問題と解説

自動車燃料の品質改善に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 昭和40年代後半から50年代前半に、ガソリンの無鉛化がなされた。
  2. ガソリン中のベンゼン含有率は、現在1体積%以下に低減している。
  3. サルファーフリーガソリンは、自動車からのNOx排出量低減を可能とした。
  4. バイオマス起源のエタノールのガソリンへの混合は、二酸化炭素削減対策となる。
  5. 軽油中の硫黄分は、排ガス対策を目的に順次低減され、2005年以降は硫黄分0.1質量%以下の軽油の販売が開始された。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

(5)はいわゆるサルファーフリー軽油と呼ばれる軽油のことです(硫黄を英語にするとサルファーsulfurといいます)。

この記述は概ね合っていますが、その硫黄分は「0.1%」ではなく、「0.0010%」もしくは「10ppm」以下のものを指します。ppmはparts per millionの略で、百万分率のことなので、0.0010%も10ppmも全く同じ意味です。

よって、正解は(5)です。

ちなみに(3)に関連して、サルファーフリーガソリンやサルファーフリー軽油を使えば、自動車からのSOx排出量はもちろん、NOx排出量も低減させることができます。

一見すると低硫黄(S)製品によって窒素酸化物(NOx)が下がるのは変に感じるかもしれませんが、自動車のエンジンにはNOx還元触媒が積まれていて、この触媒は硫黄分の被毒によって性能が下がってしまいます。よって、硫黄分を減らすことがNOx還元触媒の性能維持につながります。

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